私の師匠は沖田総司です【上】
「……そこで何をしているんですか?」

「もうすぐ稽古だから呼びに来たんだけど、何度呼びかけても反応がなくてどうしようか迷ってたら、君に頭突きされた……」

あら~……。

「それは誠に申し訳ございませんでした」

「ああ、うん……」

よほど私の頭突きが効いたのか、組長は蹲ったまま体を震わせています。

私、そんなに石頭でしたかね?

「それよりも組長、痛みに耐えてるところすみませんが、稽古って何ですか?」

「天宮さんは今日から1番隊の一員として、一緒に稽古するんでしょ?忘れたの?」

「ああ、そう言えば」

龍馬さんのことで忘れてました。

「わざわざすみません。今日からよろしくお願いします」

「うん、よろしく……」

組長が壁に手を付きながら立ち上がります。

私のせいですが、稽古前にも関わらず組長はすでにヨロヨロしています。

本当に申し訳ないことをしてしまいました。
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