私の師匠は沖田総司です【上】
「どうしました?」
子猫のような茶色い大きな瞳が私に向けられ、ドキッと胸が鳴った。
「あっ、いや……その、天宮さんの綺麗な顔に怪我の跡が残らなければいいなと思いまして」
「はい?」
しまったと思っても時すでに遅し。天宮さんは大きな目をさらに大きくして私を見つめていた。
慌てて何か別のことを言おうとしても、上手い言葉が出てこない。
どうしようかと内心焦っていると、天宮さんがクスリと笑った。
「私なんかより、山野さんの方が綺麗な顔をなさっていますよ。さすが新選組美男五人衆の一人ですね。
私では逆立ちしても到底太刀打ちできません」
「あの、新選組美男五人衆とは何ですか?」
そう言うと、天宮さんは少し目を逸らして「気にしないでください」と言った。
気にするな、と言われたことほど気になるのが人間の性(サガ)というもの。
けど、俯く天宮さんを見たらそれ以上聞けなくなってしまった。
だから私は変わりに、ずっと聞いてみたかったことを聞くことにした。
子猫のような茶色い大きな瞳が私に向けられ、ドキッと胸が鳴った。
「あっ、いや……その、天宮さんの綺麗な顔に怪我の跡が残らなければいいなと思いまして」
「はい?」
しまったと思っても時すでに遅し。天宮さんは大きな目をさらに大きくして私を見つめていた。
慌てて何か別のことを言おうとしても、上手い言葉が出てこない。
どうしようかと内心焦っていると、天宮さんがクスリと笑った。
「私なんかより、山野さんの方が綺麗な顔をなさっていますよ。さすが新選組美男五人衆の一人ですね。
私では逆立ちしても到底太刀打ちできません」
「あの、新選組美男五人衆とは何ですか?」
そう言うと、天宮さんは少し目を逸らして「気にしないでください」と言った。
気にするな、と言われたことほど気になるのが人間の性(サガ)というもの。
けど、俯く天宮さんを見たらそれ以上聞けなくなってしまった。
だから私は変わりに、ずっと聞いてみたかったことを聞くことにした。