私の師匠は沖田総司です【上】
しばらく走り続け、辿り着いたのは二階建ての大きな家でした。
龍馬さんは私の手を引きながら戸を開け、微塵も迷うことなく中へと入ります。
履物を脱ぎ、土間へあがるとすぐ近くに階段があり、それを登る。
そして突き当りの部屋まで来ると戸を開け部屋に入りました。
その部屋には地球儀や望遠鏡など、まず屯所では見られない物がありました。
「あの、ここは?」
「俺の部屋。今は長州藩邸って所の一室を借りて住んでんだ」
龍馬さん、さらっと言ってますが私をここに連れて来てはいけないと思いますよ。
長州藩邸と言えば長州藩の人たちのアジトです。
敵の私に場所を教えたらダメじゃないですか。
でも、龍馬さんは私が新選組の隊士だと知りませんでしたね。
だったらしょうがないと言いますか、何と言いますか、とにかく複雑な心境です。
でも言えることは、龍馬さんに申し訳なさすぎるということです。
龍馬さんは知らなかったとはいえ、敵に長州藩邸の場所を教えてしまった訳ですから、後で仲間から怒られないか心配です。
いや、でもまず最初に心配するのは自分の命ですね。
流れとは言え敵のアジトに一人で侵入してしまったわけです。
現在、崖っぷちにいるのは私の方でした。
もし私が新選組の人間だとバレてしまったら……想像しないでおきます。
想像したら現実になりそうで怖いですから。
龍馬さんは私の手を引きながら戸を開け、微塵も迷うことなく中へと入ります。
履物を脱ぎ、土間へあがるとすぐ近くに階段があり、それを登る。
そして突き当りの部屋まで来ると戸を開け部屋に入りました。
その部屋には地球儀や望遠鏡など、まず屯所では見られない物がありました。
「あの、ここは?」
「俺の部屋。今は長州藩邸って所の一室を借りて住んでんだ」
龍馬さん、さらっと言ってますが私をここに連れて来てはいけないと思いますよ。
長州藩邸と言えば長州藩の人たちのアジトです。
敵の私に場所を教えたらダメじゃないですか。
でも、龍馬さんは私が新選組の隊士だと知りませんでしたね。
だったらしょうがないと言いますか、何と言いますか、とにかく複雑な心境です。
でも言えることは、龍馬さんに申し訳なさすぎるということです。
龍馬さんは知らなかったとはいえ、敵に長州藩邸の場所を教えてしまった訳ですから、後で仲間から怒られないか心配です。
いや、でもまず最初に心配するのは自分の命ですね。
流れとは言え敵のアジトに一人で侵入してしまったわけです。
現在、崖っぷちにいるのは私の方でした。
もし私が新選組の人間だとバレてしまったら……想像しないでおきます。
想像したら現実になりそうで怖いですから。