私の師匠は沖田総司です【上】
***
天宮さんが倒れてから次の日。
お見舞い品として団子を持ってきた僕は彼女の部屋に来ていた。
部屋には寝ている天宮さんと僕、そしていなくていいのに山崎君がいる。
「総ちゃん、蒼蝶ちゃんにイタズラしたらあかんよ」
「分かってるよ」
僕は畳の上に頬杖をつき、横にながら天宮さんの寝顔を見ていた。
天宮さんって可愛い顔してるよね。愛らしいって言葉がぴったりな顔だ。
「う……ん」
身動ぎしたせいで艶のある髪が動く。
少し乱れた髪が唇や首筋に掛かっていて、それが何となく艶かしく見えてしまい胸の奥が低く音を立てた。
それにずれた襦袢から覗く陶器のような白い肌と、浮き出た鎖骨を見たら喉がゴクリと鳴って……って何やってんだ僕。
どうも最近天宮さんを見ていると調子が狂う。
天宮さんの笑った顔や怒った顔を見てみたいと思ってしまうし、僕以外の男が近くにいたらイライラする。
剣一筋で生きていた頃には感じることの無かった感覚に毎日振り回されていた。
でもその感覚が嫌なものだと感じないからさらに厄介だ。
「はぁ……」
溜息を一つ吐いて天宮さんの顔に掛かった髪を払おうと手を伸ばしたら
シュン
と、何か鋭い物が僕の前を通り過ぎたんだけど。
天宮さんが倒れてから次の日。
お見舞い品として団子を持ってきた僕は彼女の部屋に来ていた。
部屋には寝ている天宮さんと僕、そしていなくていいのに山崎君がいる。
「総ちゃん、蒼蝶ちゃんにイタズラしたらあかんよ」
「分かってるよ」
僕は畳の上に頬杖をつき、横にながら天宮さんの寝顔を見ていた。
天宮さんって可愛い顔してるよね。愛らしいって言葉がぴったりな顔だ。
「う……ん」
身動ぎしたせいで艶のある髪が動く。
少し乱れた髪が唇や首筋に掛かっていて、それが何となく艶かしく見えてしまい胸の奥が低く音を立てた。
それにずれた襦袢から覗く陶器のような白い肌と、浮き出た鎖骨を見たら喉がゴクリと鳴って……って何やってんだ僕。
どうも最近天宮さんを見ていると調子が狂う。
天宮さんの笑った顔や怒った顔を見てみたいと思ってしまうし、僕以外の男が近くにいたらイライラする。
剣一筋で生きていた頃には感じることの無かった感覚に毎日振り回されていた。
でもその感覚が嫌なものだと感じないからさらに厄介だ。
「はぁ……」
溜息を一つ吐いて天宮さんの顔に掛かった髪を払おうと手を伸ばしたら
シュン
と、何か鋭い物が僕の前を通り過ぎたんだけど。