私の師匠は沖田総司です【上】
でも、師匠のその一言は本心ではないと思います。

師匠は意外とツンデレ属性ですから素直じゃないんです。思ってもないことを口に出してしまうような人なんですよ。

人じゃないですね、幽霊でした。

師匠はツンデレ幽霊なんです。

「何にやけてんだ?」

「あっ、いや、何でもないです」

師匠のことを考えていたら頬が緩んでしまったらしいです。

尊敬している師匠を考えると頬が緩むとは、私は一体どれだけ師匠を尊敬しているんだろう。

「それで天宮」

「あ、はい」

「おまえの入隊試験の結果なんだが」

入隊試験の結果と聞いた瞬間、胸がドキドキしてきました。

この緊張感は高校入試の合否の判定の時と一緒……いや、それ以上の緊張感です。

試合には負けてしまったから正直不安です。そして、殆ど土方さんに圧倒されてましたし。

無意識に手が下の布団を握りしめる。

そして土方さんが口を開いた。

「合格だ」

人間、本当に驚くと言葉が出ないんですね。「合格」と言葉を聞いた瞬間、頭では「やった!」と叫びたかった。

でも、声が出なくて口だけがポカーンと開いてました。

自分は今、一体どんなアホ面をしてるんでしょうかね。

想像しただけで恐ろしい。
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