私の師匠は沖田総司です【上】
部屋にたどり着いた瞬間、組長がぴしゃりと戸を閉める。
二人っきりの空間はとても重苦しく、ただただ気まずい。
「そこに座って」
「はい」
素直に指定された場所に座ると、組長が向かい合うように胡坐をかき膝に頬杖をつく。
頭に乗せられていた手拭いは首に掛けられており、湯上りで濡れた髪からは雫が落ちました。
「あのっ、組長、髪が濡れて……」
「髪なんて後でいい」
組長の低い声にビクッと首を竦めてしまう。
本気で怒ってる組長を初めて見ました……。
「それで、どうして勝手なことをしたの?」
「その、組長にお願いしても許可は貰えないと思ったので……。ごめんなさい、怒ってますよね」
「そりゃあね。だってそれは、天宮さんが僕のことを信用してないって言ってるのと同じことだから。少なからず僕は傷ついた」
傷ついたという言葉に胸がズキリと痛む。
「ごめんなさい」
「謝る前に大阪に行きたい理由を話して。理由によっては、君の同行を取り消さなきゃならない」
「……」
私は口を閉ざしてしまう。
大阪で何が起きるか知っているのは未来から来た私だけだ。
組長に言えるわけがありません。
それに、実は私が大阪に行きたい理由は山南さんの未来を変えたいからだけじゃない。
私が大阪に行きたい理由の2つ目。
それは
二人っきりの空間はとても重苦しく、ただただ気まずい。
「そこに座って」
「はい」
素直に指定された場所に座ると、組長が向かい合うように胡坐をかき膝に頬杖をつく。
頭に乗せられていた手拭いは首に掛けられており、湯上りで濡れた髪からは雫が落ちました。
「あのっ、組長、髪が濡れて……」
「髪なんて後でいい」
組長の低い声にビクッと首を竦めてしまう。
本気で怒ってる組長を初めて見ました……。
「それで、どうして勝手なことをしたの?」
「その、組長にお願いしても許可は貰えないと思ったので……。ごめんなさい、怒ってますよね」
「そりゃあね。だってそれは、天宮さんが僕のことを信用してないって言ってるのと同じことだから。少なからず僕は傷ついた」
傷ついたという言葉に胸がズキリと痛む。
「ごめんなさい」
「謝る前に大阪に行きたい理由を話して。理由によっては、君の同行を取り消さなきゃならない」
「……」
私は口を閉ざしてしまう。
大阪で何が起きるか知っているのは未来から来た私だけだ。
組長に言えるわけがありません。
それに、実は私が大阪に行きたい理由は山南さんの未来を変えたいからだけじゃない。
私が大阪に行きたい理由の2つ目。
それは