私の師匠は沖田総司です【上】
いつも山南さんには、お世話になっているので、力になりたいです。

でも、しつこく聞くのも憚(ハバカ)れて、あまり聞かないようにしています。

それよりもまず、私は山南さんを守ることに集中しなければ。

確か山南さんが腕を負傷するのは、大阪にある呉服を商いとする岩城升屋で起きる事件。

岩城升屋に不逞浪士が押し入り、そこに山南さんと土方さんが駆けつけ不逞浪士達を撃退する。

そこで山南さんは左腕を負傷し、刀を握れなくなると、本には書かれていました。

「天宮」

「あっ、はい」

「早く団子を食わねえとなくなるぞ」

いつの間にか私もボーっとしていたようです。

「おまえはチビなんだから沢山食わねえと背が伸びねえぞ。あっ、もう縦じゃなくて横にいくか。すまんすまん」

ムカッ!

土方さん、その言葉は聞き捨てなりません。

確かに成長期は終わったかもしれませんが、鍛えているので横にはいきませんよ。

岩城升事件が起きたとき、土方さんは守りませんからね。

「土方君、女性に失礼ですよ」

「だってよ、こいつイジメるの本当に楽しいんだ。俺の今の流行(ハヤリ)だ」

そんな流行は誰も望んでません!!
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