私の師匠は沖田総司です【上】
パンパンと両頬を挟むようにして叩いた後、私は師匠を見た。
「私は、諦めません。山南さんの未来を変えます」
『方法はあるの?』
「……分かりません。でも、方法はきっとある筈です」
「きっと」なんて言ったけど確信なんてない。
もしかしたら、山南さんの未来は変わらないのかもしれない。
でも、私は諦めたくない。
決まった運命だとしても、私はその運命に抗う。
「師匠は何も心配せずに待っていてください」
私は師匠を安心させるように微笑んだ。
『……分かった。蒼蝶に任せるよ。でも』
二つの大きくて冷たい手が私の顔を挟むと、額に、やわらかいものが当たった。
それが師匠の唇だと分かると、顔全体から発火するじゃないかってぐらい熱くなる。
「しっ、しし師匠!?」
慌てて離れようとした瞬間、師匠の身体が透けていることに気付いた。
足から徐々に消えている。
『蒼蝶、さっきみたいに我を忘れて刀を振るわないで。無理したらダメだからね』
「はい」
『約束だよ』
もう一度、私の額にキスをすると同時に、師匠の身体は完全に消え、周りを飛んでいる無数の光の珠になった。
そして私の意識も遠くなり、もう一度目を覚ましたら、布団の中に寝かされていた。
「私は、諦めません。山南さんの未来を変えます」
『方法はあるの?』
「……分かりません。でも、方法はきっとある筈です」
「きっと」なんて言ったけど確信なんてない。
もしかしたら、山南さんの未来は変わらないのかもしれない。
でも、私は諦めたくない。
決まった運命だとしても、私はその運命に抗う。
「師匠は何も心配せずに待っていてください」
私は師匠を安心させるように微笑んだ。
『……分かった。蒼蝶に任せるよ。でも』
二つの大きくて冷たい手が私の顔を挟むと、額に、やわらかいものが当たった。
それが師匠の唇だと分かると、顔全体から発火するじゃないかってぐらい熱くなる。
「しっ、しし師匠!?」
慌てて離れようとした瞬間、師匠の身体が透けていることに気付いた。
足から徐々に消えている。
『蒼蝶、さっきみたいに我を忘れて刀を振るわないで。無理したらダメだからね』
「はい」
『約束だよ』
もう一度、私の額にキスをすると同時に、師匠の身体は完全に消え、周りを飛んでいる無数の光の珠になった。
そして私の意識も遠くなり、もう一度目を覚ましたら、布団の中に寝かされていた。