私の師匠は沖田総司です【上】
「すぐに準備します!……うみゅ!」

急いで部屋に戻ろうとしたら自分の足に足を引っ掛けて、派手に転けてしまいました。

あ゛ぁぁ……。

顔全体が、ジンジンと脈打つように痛みます。

「大丈夫か?」

「はっ、はい!大丈夫です!」

「急がなくていい。だから転けないようにしろ」

「はい、了解しました」

すぐに立ち上がり、小走りで部屋に向かう。

斎藤さんは急がなくていいと言ってくれましたが、やはり待たせてしまうのは申し訳ないです。

私は転けないように、注意して部屋まで戻った後、風呂敷に包まれた折れた師匠の刀を取り出しました。

本来、岩城升事件では山南さんの刀が折れる筈でした。

でも、この世界で折れた刀は師匠の刀のみ。

少しなのですが、山南さんの歴史が変わっているのです。

師匠の刀が折れたのは悲しかったけど、刀が歴史は変えられることを示しているみたいで、勇気が出てきます。

やっぱり師匠の刀は魔法の刀です。

「絶対、直してもらいましょうね」

もう一度、刀を風呂敷に包んだ後、私は斎藤さんのところへ行きました。
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