私の師匠は沖田総司です【上】
明里さんも元気がないことに、少し驚きました。
やっぱり、山南さんと明里さんに何かあったのかもしれない。
「明里ちゃん、ちょっとええ?」
千代菊さんが立ち止まり、一室に声を掛けると、閉じられた戸の内側から何かが動く音がしました。
そして戸が開くと、中から明里さんが出てきました。
「あんさんは……」
明里さんは私を見ると軽く目を見開きます。
どうやら明里さんは私を覚えているみたいです。
「蒼蝶ちゃんのこと覚えてるな?この子が明里ちゃんに話したいことがあるんやと」
「そうやの。とりあえず中に入ってや」
「失礼します」
部屋の中に入ると、微かに白粉や口紅などの化粧品が混ざったような匂いがしました。
女性の匂いですね。
新選組の屯所には絶対ない匂いです。
畳に座ると小皿に乗ったお菓子とお茶が出されました。
「それで、ウチに話しって?」
「新選組の総長山南敬助さんをご存知ですよね」
私の言葉に、明里さんの睫毛がピクリと跳ねる。
「ええ、知ってるで。ウチを贔屓目してくれたお客様や」
「そうでしたか。それで、私の話と言うのは、貴方と山南さんに何があったのかを知りたくて来ました」
やっぱり、山南さんと明里さんに何かあったのかもしれない。
「明里ちゃん、ちょっとええ?」
千代菊さんが立ち止まり、一室に声を掛けると、閉じられた戸の内側から何かが動く音がしました。
そして戸が開くと、中から明里さんが出てきました。
「あんさんは……」
明里さんは私を見ると軽く目を見開きます。
どうやら明里さんは私を覚えているみたいです。
「蒼蝶ちゃんのこと覚えてるな?この子が明里ちゃんに話したいことがあるんやと」
「そうやの。とりあえず中に入ってや」
「失礼します」
部屋の中に入ると、微かに白粉や口紅などの化粧品が混ざったような匂いがしました。
女性の匂いですね。
新選組の屯所には絶対ない匂いです。
畳に座ると小皿に乗ったお菓子とお茶が出されました。
「それで、ウチに話しって?」
「新選組の総長山南敬助さんをご存知ですよね」
私の言葉に、明里さんの睫毛がピクリと跳ねる。
「ええ、知ってるで。ウチを贔屓目してくれたお客様や」
「そうでしたか。それで、私の話と言うのは、貴方と山南さんに何があったのかを知りたくて来ました」