私の師匠は沖田総司です【上】
そして上から順にお膳を置いて行きます。

「どうぞ」

「ありがとう」

高杉さん、ヅラさん、そして稔麿さんを最後にお膳を全て配り終えました。

そしたら

「おい、俺の分は?」

「龍馬さんの分はすでにあるじゃないですか」

いや、あったというのが正解かもしれませんね。龍馬さんのお膳の上はすでに空です。

「……」

そんなムスッとされても私にはどうしようもありませんよ。

「じゃあ、酌して」

「お酌なら私よりもふさわしい方が沢山いるじゃないですか」

周りに綺麗な芸妓さんがいるのに変なことをいいますね。

そしたらますます龍馬さんの顔がムスッとなりました。

どうしてムスッとなるんですか。意味が分かりません。

「なんだよ。この店で働く奴は客の頼みも断んのか?」

「う゛っ」

そう言われると辛いですね。

でも、裏方の人がお酌をしていいのでしょうか。

チラッと千代菊さんとアイコンタクトをとります。すると千代菊さんはコクリと頷きました。

しょうがないですね。お酌を1回してから部屋に戻りましょう。
< 398 / 472 >

この作品をシェア

pagetop