私の師匠は沖田総司です【上】
怖かった私は目を閉じて俯いた。
しばらく間があると肩に重みが掛かる。
「おまえが嫌がることはしねえから怖がるなよ」
耳元で龍馬さんのさっきよりも優しい声がしました。恐る恐る目を開けると最初に見えたのはクリンと跳ねた髪です。
肩に掛かった重みの正体は龍馬さんの頭でした。
「蒼蝶」
もう一度名前を呼ばれると腰に腕をまわされる。まわされた腕はどこか頼りない感じがしました。
「おまえ、稔麿のことが好きなのか?」
「稔麿さん、ですか?」
確認するように尋ねると、肩に置かれた頭が頷くように動きました。
どうしてそんな事聞くのでしょうか。よく分かりませんが正直に答えます。
「稔麿さんのことは好きですよ」
「……じゃあ、おまえが未来を変えたいって言ってた奴は?」
私が未来を変えたい人……組長の事でしょうか。
「組長も好きですよ」
「ふ~ん……」
龍馬さんはそっけなく答えると、体を少し離し、私の目を見下ろしながら覗き込みました。
小さな一歩を踏み出せば唇が触れ合いそうな位置に龍馬さんの顔がある。
距離の近さに胸がドキッと跳ねた。
「じゃあ、俺は?」
「え!?」
「俺のことは好きか?」
「そっ、それは……」
龍馬さんのことになると、稔麿さんと組長の時のように「好き」と言う言葉が簡単に口から出てこない。
しばらく間があると肩に重みが掛かる。
「おまえが嫌がることはしねえから怖がるなよ」
耳元で龍馬さんのさっきよりも優しい声がしました。恐る恐る目を開けると最初に見えたのはクリンと跳ねた髪です。
肩に掛かった重みの正体は龍馬さんの頭でした。
「蒼蝶」
もう一度名前を呼ばれると腰に腕をまわされる。まわされた腕はどこか頼りない感じがしました。
「おまえ、稔麿のことが好きなのか?」
「稔麿さん、ですか?」
確認するように尋ねると、肩に置かれた頭が頷くように動きました。
どうしてそんな事聞くのでしょうか。よく分かりませんが正直に答えます。
「稔麿さんのことは好きですよ」
「……じゃあ、おまえが未来を変えたいって言ってた奴は?」
私が未来を変えたい人……組長の事でしょうか。
「組長も好きですよ」
「ふ~ん……」
龍馬さんはそっけなく答えると、体を少し離し、私の目を見下ろしながら覗き込みました。
小さな一歩を踏み出せば唇が触れ合いそうな位置に龍馬さんの顔がある。
距離の近さに胸がドキッと跳ねた。
「じゃあ、俺は?」
「え!?」
「俺のことは好きか?」
「そっ、それは……」
龍馬さんのことになると、稔麿さんと組長の時のように「好き」と言う言葉が簡単に口から出てこない。