私の師匠は沖田総司です【上】
それにこの状態だと告白しているみたいじゃないですか……。

その恥ずかしさもあって「好き」という言葉がでない。

「あぅ……、その……」

あまりの恥ずかしさに俯いていると、顎を軽く掴まれて上を向かされた。

真近くで見る龍馬さんの顔にはイジワルな笑みが浮かんでいる。

「ほら、はよぅ」

どこか面白がるような声。さっきまでの悲しそうな感じはどこに行ったんですか!!

「……好き、ですよ。龍馬さんのことも。これで満足ですか!」

「ああ、十分じゃ」

龍馬さんが顔を少し傾けると顔を近付けてきた。

えっ、ちょ、まっ、これって……!

「ちょっと、龍馬さん!」

「むぐっ」

寸でのところで両手で龍馬さんの口を押えました。途端に龍馬さんの眉が寄せられる。

「なにすんだ」

「それはこっちのセリフですよ!」

キスされるかと思った。と言うか絶対キスされるところだった。

「組長って奴とは口づけしてたのに、俺はダメなのかよ。俺の事も好きなら問題ねえだろ」

「それは、その……、あっ、そうだ!あの時私は組長と口づけしていた訳ではないんです!口の端にされたんです!」

「口の端?」

「そうですよ、この辺りです」

指で組長のキスされた場所を指します。
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