私の師匠は沖田総司です【上】
しばらく藤堂さんたちと騒いでいると、また外から人がやってきました。

「平助、斎藤を呼んでくるのにいつまで掛かってやがるんだ?」

次に道場にやってきたのは土方さん。朝から眉間の皺が絶好調です。

「天宮?なんでおまえもここにいるんだ?」

「斎藤さんと一緒に道場の掃除をしていました。そしてここにいる藤堂さんにイジメられました」

「平助……」

土方さんがどこか呆れた様な目をしました。

「だって土方さん、コイツが」

「言い訳なら後で聞いてやるよ。今は朝餉だ。新八とかが煩くてしゃあねえからな。

天宮は後で朝餉を部屋に持って行くから待ってろ」

「はい」

土方さんが藤堂さんの襟を掴み、歩きはじめました。藤堂さんは猫扱いですか?

「では、副長、俺は掃除の片付けをしてから……」

「斎藤さん、後片付けは私がやっておきます」

「だが」

「大丈夫です。だからどうぞ朝餉に行ってください」

斎藤さんは少し迷っていましたが、私によろしく頼むと言いました。

「また後でな」

「はい」

斎藤さんが少し笑いました。そして、私の頭を少し撫でて「掃除を手伝ってくれてありがとう」とも言いました。

イケメンの笑顔ってとても眩しいですね。それに頭まで撫でてもらえるとは、私すごく幸せなんじゃないでしょうか?
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