私の師匠は沖田総司です【上】

でも、言ってしまったので「はははっ」と誤魔化し笑いをします。

無理に笑っているせいで頬がピクピクと引きつる感じがしますね……。

しばらく私を見ていた山南さんでしたがフッと笑いました。

「天宮君、私に気を遣わなくていいんですよ。気楽にいつも通り接してください」

「あっ、はい……」

どうやら山南さんは私が無理に笑っていることや、緊張していることに気付いていたようです。

多分私が噛んだのをツッコんだのは山南さんのおちゃめなイタズラなのでしょう。

「それで、山南さん。明里さんとの旅行は……」

「とても楽しませてもらいました。天宮君は明里の休暇を貰うために角屋で裏方として働いていたそうですね」

「なぜそれを……!」

近藤さんや土方さんたちには口止めしていた筈なのに……。

「明里から聞きました」

明里さんでしたか。明里さんにも口止めしておけばよかった。

「ありがとう」

「そんな、お礼を言われるようなことはしてません。私が勝手にやっていたことなので」

「それでもお礼を言わせてください。君のおかげで明里は私の求婚を受け入れてくれたんですから」

ん、求婚?

求婚って現代で言うプロポーズですよね。

プロポーズ……。

「えーーー!?!本当ですか!?」

驚きのあまり思わず叫んでしまいました。

山南さんは照れくさそうに頬を掻くと「はい」と、とても幸せそうに言いました。
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