惑わしの5days・番外編集
逆に抱きしめる力を強めると、観念したのか次第に大人しくなっていった。


「もう……想兵のバカ……」


「バカで結構。オレは栞バカなの」


ついこの間まで存在すら知らなかったのに、こんなに好きになるなんて思わなかった。


何気にオレの制服をキュッ…と摘まんでいる栞が、大切で堪らない。


「そういやあ光に成り済ました栞に告ったのも、図書室で抱きしめながら…だったよな。あの時は泣かしちゃったけど今日は見分けついたから、ご褒美くれよ栞」


オレがそう言うと、栞が少々不安気な瞳でオレの顔を見上げた。


上目遣い、万歳。
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