惑わしの5days・番外編集
不意に謙亮の方から謝罪の言葉が聞こえ、パッと視線を謙亮に戻す。


「何の謝罪よ?それ」


「いや……“入れ替わり黙っててやる代わりにデートしろ”なんて、幾ら何でも強引過ぎたと思ってさ」


「えっ!?アレを悪かったなんて思える良心が、アンタにあったんだ!?」


「……オイ」


ピキピキと怒りマークを浮かべる謙亮だけど、だったら最初から脅迫しないでよという気持ちは沸き起こらなかった。


それは多分……私が謙亮とのデートを、本当に楽しんでしまったから。


もうすぐデートが終わりを迎えるのを………さみしく感じているから。
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