惑わしの5days・番外編集
言いたい事も言われずに、恋人にただただ我慢させるなんて嫌だ。


泣きそうな顔で訴えると、想兵は私の髪の毛にスッと指を通した。


「……栞、オレ、前にも言ったけど結構嫉妬深いし、独占欲も強い」


「うん……」


「もしかしたらまた似た様な事して、お前に嫌な思いさせちまうかもしれない」


「んっ………」


「だけど………メチャクチャ大事に大事にするから、これからもオレの彼女でいてくれ……」


切な気に言われて、フワッと優しく抱きしめられる。


想兵の甘い香りに全身が包まれて、とうとう涙腺が決壊してしまった。
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