マウンドのプリンス*青空の下、ふたりでずっと*



「佐々木!昨日は本当にごめん!」



朝練が終わった野球部の部員達が教室に入ってくると、山内くんが一目散にわたしのところにやってきた。



その瞬間、教室のガヤガヤしていた雰囲気は一変してしーんとしてしまった。



みんな誰も話すことはないけど、視線だけはわたしの方向に向けてじーっと見ている。



山内くんは謝ったまま頭を上げない。



「えっ!ちょっと山内くんやめてよ!」



わたしは左手を使って必死に山内くんに頭を上げてもらおうと肩を押す。



だけど、山内くんは全然頭を上げてくれない。



「本当に昨日は悪かった。



佐々木に当たったボールは俺が打ったのだったんだ。でもすぐに謝りにいけなくて……。



昨日謝りに行ったのは後輩で、代わりに謝りに行ってくれただけなんだ。



これじゃあしばらく部活もできないよな……」



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