マウンドのプリンス*青空の下、ふたりでずっと*
ホームルームが終わるとすぐに山内くんはわたしの席に戻ってきて
「こんなことしたって肩がすぐに治るわけないの分かってるけど……
俺、できることなら何でもするから!遠慮しないで何でも言ってくれ!」
そしてチラっと視線を下に向けて、わたしの悲惨な名前の書いたノートを見た。
「それから授業中のノートは汚い字で悪いけど、俺がしっかり全部取るから」
「あっ、でも……優奈にノートコピーさせてもらうから大丈夫だよ?」
「でもそれじゃ、俺は何にも佐々木にできないから
今日の授業のノート全部貸して」
有無を言わさない山内くんの眼差しにそれ以上何も言えなかったわたしはバッグからノートを取り出すと
お願いしますと言って山内くんにノートを手渡してしまったんだ。