マウンドのプリンス*青空の下、ふたりでずっと*



「午後ってコミュ英と生物だっけ?」



「あぁ」



「だよね!あれ?教科書はあるんだけど……ノートが……



家に置いて来ちゃったのかな?だから午後は大丈夫だよ!」



わたしは机の中をガサゴソ探しながら、目の前にはちゃんと二教科のノートが見えてるけど探してるふりをした。



「分かった!じゃあ俺の持ってるルーズリーフに書いて渡すから」



と言って、山内くんは自分の席に戻ってしまった。



これじゃあ、全然意味ないじゃん!



山内くんに気を遣わせないためにこんな演技をしたのに、結局山内くんのノートに書かせたんじゃ、全然意味がない。



あたしは思わず頭をガクンとさせた。



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