マウンドのプリンス*青空の下、ふたりでずっと*
「茉優!お弁当食べよっ!」
「……うん」
優奈はいつものようにわたしの前の席の子の机を借りて、向かい合わせにして座った。
「いただきまーす!」
「……いただきます」
パチンとしっかり手を合わせてからお弁当をパカッと開けて食べ始めた優奈に対して
わたしは大好きなお母さんのだし巻き卵が入ってるのに全然テンションが上がらない。
……部活でもこうやって気を遣われちゃうのかな?
このままでわたしは本当に三週間後にちゃんと試合に出れるくらい復帰できるのかな?
なんだか考えることはいっぱいで、ごはんを食べてる最中なのに、ため息が漏れてしまった。
「どうしたの?やっとお昼休みになったのに溜め息なんか吐いちゃって!
いつもは美味しい!って何度も言いながら楽しそうにごはんを食べてるのに」