マウンドのプリンス*青空の下、ふたりでずっと*
「当たり前だけど、ピッチャーは投げるのが仕事だから
投球練習メインだし、間違いなく他の子たちより打撃練習は減ってるよ!
山内は前に自分でもバッティングは打っても打ってもみんなとは離れちゃうって言ってた」
「そうなんだ……」
そう思いながらもう半分のミニハンバーグを口の中に放り込んだ。
いろいろ事情はあるんだなと思いながら山内くんの方に視線を向けると……
彼はどうやら電池切れのようで大きなお弁当箱を隣に置いたまま机に突っ伏して眠っている。
やっぱり授業中眠かったんだろうなと思うとまた申し訳ない気持ちでいっぱいなる。
わたしはフォークを置いて、山内くんに「午後は自分でどうにかするから」って言いに行こうと立ち上がると……。
「いいんだよ!山内がやるって言ったんだからノートは山内に任せれば。
その間、茉優は確実に肩を治して、それで早く山内をノートとりから解放したいなら茉優がさっさと治すこと、そうでしょ?」
わたしは半分納得いかないけど、小さくコクンと頷いた。