マウンドのプリンス*青空の下、ふたりでずっと*
わたしのことなんて気にしないで喜んで欲しい。
だって試合に出れることになったのは山内くんの努力であって、わたしのケガとはまったく関係がない。
だからそんな顔しないで?
心の中でそう呟きながら、野球部の輪から抜け出して席に着いた山内くんのところに向かった。
「おはよう、山内くん」
「はよ!佐々木、さっきのことだけど俺……」
「おめでとう!念願のスタメン入りでしょ?山内くんの努力が開花してきた証拠だよ!
応援にはいけないけど頑張ってね!」
山内くんはわたしが言ったことが予想外だったのかとっても驚いた表情している。
「……あ、ありがと」
少し間があって返ってきた言葉はそれだった。