マウンドのプリンス*青空の下、ふたりでずっと*



「うん!このまま勝ち上がって女バレのオフと重なったら応援にいくね」



わたしはにこっと笑った。



今、言ったことは嘘ではない。



でも内心は自分のもう半分の気持ちがバレてしまってないか焦りの気持ちもある。



部活ができること



スタメンに選ばれて、試合に出れること



みんなから祝福されていること



その羨ましさがだんだんモヤモヤに変わっていきそうでこわい。



「佐々木は肩はどう?」



「うん!順調に治ってるよ。大会までにはちゃんと治りそう」



「本当に?良かった~!俺、佐々木が大会出られなくなったらどうしようってそればっかり考えてた」



山内くんはホッとした表情を浮かべていて、ようやく自分がスタメンに選ばれたことも喜べそうだった。



だけど、こんな不安や焦りでぐらぐらしながらもいつもの自分を保てたのはこの時が最後だった―――。



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