マウンドのプリンス*青空の下、ふたりでずっと*



部活が終わるとすぐに、わたしは一番最初に部室を後にした。



もちろん、病院に行くために。



病院に行くと夕方の時間だからか混んでいて、その中にはわたしと同じように部活で怪我したような人もいた。



「佐々木さーん!どうぞ」



一人の看護士さんに呼ばれて、診察室に入った。



「こんにちは」



「こんにちは。その後肩の方はどうですか?たしか大会が近いんだったよね?」



先生はすぐにパソコンに向き直ってカチカチと操作している。



「はい、今週末なんですけど…」



丸イスに座るように看護士さんに促されてわたしはスポーツバッグを床に置いて座った。



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