マウンドのプリンス*青空の下、ふたりでずっと*



山内くんには今日出れなくなったことは言わないでおいた。



彼は、彼でエースの先輩に急に出ることになっていっぱいいっぱいだと思ったし、



いつまでもわたしのことで気に病んでほしくなかったから……。



それに、今日の2試合は絶対にみんなが勝ってくれるって信じてる。



わたしたちの試合は会場が開いてからすぐの第一試合目。



「よし!絶対に勝つよ!」



「「はいっ!」」



「コートもベンチもどんな時も一丸となって声出そう!」



「「はいっ!」」



「茉優、絶対に私達と一緒に戦う時が来るから、そのつもりでいるんだよ!」



「はいっ!」



あたしは円陣の中で大きな声で部長の言葉に返事をした。



どうやら自分の不安や心配な気持ちが部長にはバレてたみたい。



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