21歳の淡い夏
あれからサッカーからは遠ざかり
水輝の引っ越しや私の専門の入学が重なりバタバタしていた。
水輝は春からプロになる。
サッカーを続ける為、実家からは少し離れた東京で一人暮らしすることになった。
ちょうどひと段落したとき水輝が
「そーいえば今日、柏木の試合じゃね?
千葉テレ映るかな〜みるっしょ?」
と言われしぶしぶ見ることにした。
試合は開始されていた。
0-0だった。
「あ、ほら瀬戸。」
テレビを見ながら画面を指差す水輝。
その先にはあのときと変わらない
瀬戸託実の姿だった。
「かおはイケメンなんだけどなー。
プレーがちょっとなー」
とぶつぶつ言っている。
私がサッカーに見入っていると
「瀬戸、神奈川の大学でサッカーするらしいよ。」
そう一言行って部屋から出て行った。
そんなこと言われても
私とは全く関係ないひと
そう思い部屋から出た。
試合は0-1
柏木高校はベスト4で負けてしまった。