21歳の淡い夏

私が恋愛経験ない理由の一つとして
兄の水輝が関係している。

同じ高校だったのもあるが
なによりプロのサッカー選手になるということで学校中からの有名人だった。

実際、サッカー部内学年問わず
藤春水輝の名前を知らない人はいない程だった。

だからなのかその辺のサッカー大好きミーハー女子からは

水輝くんのアドレス教えて〜だの

しょっちゅうしつこく言われ断ると容赦ない陰口を言われることもあった。

私が男の子と話していると藤春の妹チャラいな。

なんて言われることもあったし

なにかする度に 藤春の妹 というくくりにされるのがうんざりだった。

そういうことがあってからか

私の恋愛に対して口出しすることが多くなり

良い感じの人がいても、付き合った人がいても

必ず水輝は「やめとけって」そう止めてきた。

きっと自分のせいで妹が陰口言われたりツライ思いをさせるのがしんどくて

水輝なりに守ってくれていたのだろう。

そのためかいつしかサッカーやってる人どころか男の子にもあまり関わらなくなってしまった。
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