遠くなる君。
遠くなる君。

ねぇ、どうすればいい?

また、忘れられなくなっちゃった。

また、諦めきれなくなっちゃった。

君は、ついこの間までは同じ教室で。

挨拶だって、

何気ない会話だって、

どうでもいい言い争いだってしてたのに。

卒業した今ではそれが愛しくて、

懐かしくて仕方ないよ。

まだ卒業してそんな経ってないけど、ずっと思ってることがある。

「あの頃に戻りたい。」

あの頃だったら、君の近くにいられたのにな。

君を近くで想えたのにな。

会いたい。

会いたいよ。

すごく、すごく。

会ったらきっと、すごく嬉しくて、

楽しくて、

幸せなんだろうな。

そう思ってたんだ。

でも、違った。

いざ君に会ったら、泣きたくなった。

別々の高校に進学して、どんどん君が離れていく。

そのことを痛いほど感じた。

今まで閉じ込めていた想いが、溢れそうになった。

本当は、離れたくなんかなかった。

どうして一緒が許されないのだろう。

どうして離れないといけないのだろう。

君と過ごした時間は、あまりに短かった。

もっと早く君を好きになればよかった。

もっと素直になればよかった。

そうしたら、今は少しは違っていたかな?

離れていく君の背中を見つめながら、私は何もできなかった。

その背中を、追いかける勇気がなかったから。

あの時どうして追いかけなかったんだろう。

今ならそう思う。

でも、もう今更なんだ。

だから、君へ一言。

「好きでした。こんな気持ちを教えてくれてありがとう。」

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