CLOVER

不安

○月×日、午後6時30分。


四台の大型バスが校庭に止まる。


私たちは、無事校外学習から
帰ることが出来た。


先生の『降りろ〜』という指示で
バスの中の生徒が
次々に校庭に並ぶ。


それにしても…


よく考えてみたら、
何であんなところに
先生が居たんだろう…


ただの見回り?にしては
偶然すぎじゃない?


あのお寺は旅館から
だいぶ離れた所にあったのに……


「…由香ぁ〜、帰らないの?」


「えっ」


気付くと周りには
誰もいなかった。


「もうとっくに解散したよ」


葉月が呆れたように言った。


「あっごめんごめん、帰ろっか」


少し不機嫌そうな葉月をみて
私は慌てて荷物を背負った。


「…由香さぁ………」


葉月が少し…いや、かなり
不機嫌そうな顔をして言った。


「ん?なに?」


「…………私、あの時さぁ…」


「え?」
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