コーヒーを一杯
それから僅か半年にも満たないうちに、娘は変わってしまった。
五月蝿いなんて言われるのは、日常茶飯事。
何か話しかけても、無視されるか、せいぜいが「別に」とか「うん」とか「要らない」とか。
その程度の短い返事だけ。
「別に」なんて、どっかの女優の真似でもしてるつもりかしら。
いやんなっちゃうわ。
今日子の言葉遣いはそれからも更に悪化し、あっという間に目つきまでもが悪くなっていた。
「そんな言葉使わないの」
注意する母親の私に、その悪い目つきできっと睨みつけてくる。
わが娘だというのに、その鋭い眼差しについ怯んでしまったりもする。
持たせている手の込んだお弁当は、いつも半分以上も残してきて、その理由を訊ねればコンビニのサンドイッチの方が美味しいと言われる始末。
今日子が一生懸命に塾へと通っている中、私も料理学校へと通い腕を磨いていたのだから自分の料理はけして不味くないはず。
なのに、コンビニに負けるなんて信じられない。