就活魔女がやってきた
必死だった。


離婚して、生活をするために仕事を始めた母。


僕のようなダメな人間でも優しく接してくれる母に、恩返しがしたかった。


毎日のように仕事を探し、何度も面接を受けた。


毎晩、合格の電話がくるのを待った。


だけど、現実はそんなに甘くなかった。


何度面接を受けても、一度も電話がかかってくることはなかった。


原因はわかっている。


何年もまともに話をしていなかったせいで、面接でうまく話が出来ない。


どうしても顔が強張る。


そして、僕はまた、ひきこもりに戻った。
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