就活魔女がやってきた
「新田智則?」


アカネの声で、ふと我に返った。


アカネが心配そうに僕の顔をのぞいている。


「ゴメン、ぼーっとしてた。さ、帰ろう」


「まだどこの面接を受けるか決まってないですぅ」


「言ったろ? もういいんだ」


アカネが思い切りテーブルを叩いた。


残ったハンバーガーが飛び跳ね、ピクルスタワーが倒れる。


「よくないですっ!」


あまりの勢いに、圧倒された。


周りの客が全員僕らを見ている。


「アカネには関係ないだろ。周りの迷惑になるし、帰ろう」


「たしかに、あたしには関係ないですよぉ。でも帰りませんっ!」
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