就活魔女がやってきた
「あっ、新田智則、どうでしたぁ?」


建物の入口に座っていたアカネが立ち上がった。


「いいかげん、フルネームで呼ぶのやめてくれないかな?」


「その感じだとうまくいったみたいですねぇ。よかったですぅ」


「おかげさまで」


僕たちは並んで歩き出した。


「そういえば、どうしてあたしが新田智則のところにきたか知ってますぅ?」


「暇そうだったからだろ」


「実はそれだけじゃないんですぅ」


思わず立ち止まる。


「他にも理由が?」
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