僕の幸せは、星をめぐるように。
☆ ★ ☆
「あーあ。また金髪にしてーなー」
そう言って、ユカチンは真っ黒になったボブの髪の毛を片手ではねのけた。
夏休み限定の金髪は、もちろん新学期には元通りへ。
「でもちょっと日が経ったし、黒が落ちて茶色っぽくなってっぺ? いいなぁ~」
「顧問に怒られた。大会までに再び真っ黒さしてこ! だって」
中学生や高校生だらけのヨーカドー内フードコート。
今日はユカチンの部活が休みだったため、
ソースとマヨネーズがたっぷりかかったお好み焼きを一緒に食べていた。
口に入れると、ふんわりといろんな味が広がる。うんめ~。
「そーいえばクニオとは進展あったぁ?」
口元に付いたソースをナプキンで拭きながら、わたしはユカチンに聞いた。
「あーつきあいはじめたよ」
「へー。んなんだ~」
わたしははしを使って、お好み焼きをパンケーキのように一口大に切り分けた。
そっかつきあいはじめた……って。
「えぇえ!? まじっすか!?」
「あー。あんた声でけぇよ~」
口をもぐもぐさせながら、クールにユカチンはわたしを制した。
近くに座っている中学生のジャージ軍団がわたしたちをチラッと見ては、もとの方向へ視線を戻した。