僕の幸せは、星をめぐるように。


「ねーねー、どーやって!?」


「あー。たまたま帰りが一緒になって、2人でチャリで帰ってたっけさ」


「うんうん」


「普通に付きあうべって言われたから、いいよって言っといた。いっかなって思ってたし。以上」


お、あいつちゃんと告ったんだ!

そしてユカチン、オッケーしたんだ!


驚くわたしに対して、表情を変えないままお好み焼きを切り分けるユカチン。

テーブルの横を人が通り過ぎたため、風でトッピングのかつお節がふわりと踊りだした。


「ユカチンえがったのう。なんかわたしも嬉しいだ~」

とわたしが言うと、

「いやいや、大変だったよ。その後、あいつ驚いて1人でチャリで田んぼ突っ込みそうになってたし! ま、おもしろいしいーけど」

と言って、ユカチンは軽く笑った。


その顔を見ていたら、わたしも心から嬉しいと思った。


放課後になると、ユカチンは少しチークが濃くなって、

目元にも黒いラインが引かれて、いつもよりも女の子っぽくなる。


恋するユカチン、可愛いな~と眺めていたら、

すっと口元に手を当てて、つまようじを使いだした。

おっさんか。


「今度、祭あるしダブルデートすっぺ。あんた阿部くん連れてきて」


「えぇ、わたし笛吹きで山車の前歩くんだよね~。阿部くんはおばあさんと一緒に特等席で見るらしいし」


「んなんだ。ま、次はあんたらの番だべ。阿部くんとはどーなってんの? 好きなんだべ?」


「ひぇぇ。それが分かんね~んだよね」


ユカチンの急な問いに対して、わたしはあいまいな答えを返した。

するとキリッ、とにらまれた。うう。

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