僕の幸せは、星をめぐるように。
☆ ★ ☆
東北の夏は短く、
朝夜はかなり涼しくなってきた。
9月も半ばを過ぎ、文化祭まであと1ヶ月と半分。
わたしは久々に軽音楽部の部室に足を踏み入れた。
あるCDを借りるため。
「これインディーズ盤だけど結構いいよ。ハセバンのレーベルだし」
「わー、ありがとう!」
夏フェスでも見た、スターフィッシュってバンドの音源。
CD屋さんで探したけど、見つけることができなかった。
いつぞやのパンク頭くんは意外といい人で、快諾してくれた。
「そいえば、阿部ちゃんと付き合ってんの?」
「はぁあ!? 違うから!」
突然のパンク頭くんからの問いかけにテンパるわたし。
すると、「ふ~ん」と横目で返された。
部室には阿部くんの他、先輩らしき男子も数人いた。
みんなでスコア(譜面)を見ながらわいわいと話し合いをしている。
部活の邪魔になりそうだし、そろそろ帰ろうかなと思っていると、
「トシミちゃんはやかましいのと静かなの、どっちが好きだぁ?」
と2年生らしき茶髪のイケメンさんに声をかけられた。