僕の幸せは、星をめぐるように。
この町で育った者の宿命なのか、生まれてから今まで、
彼と彼の作品は、常にわたしたちの生活の身近なところにある。
小学生時代、きっと他県の同世代はシンデレラや白雪姫など、女の子の憧れメルヘンストーリーを劇で表現するのだと思うけど、
わたしたちはだいたい賢治作品を演じていた。
小2の頃は『どんぐりと山猫』で、どんぐり役3に選ばれた。
顔に茶色の絵具をぬり、茶色の全身タイツを着て、「わたしのほうが可愛いんだぞ」と見た目にそぐわないイキり方をしていた。
小4では『やまなし』で、クラムボン5を演じた。
大きな風船を持って、かぷかぷかぷかぷとひたすらに唱えていた。
ちなみに、幼なじみのクニオが、めちゃくちゃに緊張して、
『クラムボン』を『モラ○ボン』と間違えて叫んでしまったため、
保護者席からクスクスと失笑が漏れたことが印象に残っている。
ちなみに、朝7時と夜7時に市内中に流れる優しいメロディーも、彼が作曲したものだ。