僕の幸せは、星をめぐるように。


休み時間の教室は、

大小、高低の騒がしい声たちがぎゅうっと詰め込まれていた。


「え?」


そんな中、阿部くんは耳にしていたイヤホンを外し、驚いた目でわたしを見つめていた。


窓からの光のせいか、それとも染めているのか。

阿部くんの髪の毛は濃いベージュ系の茶色。

髪型はくせっ毛を活かしたセットで、ふんわりと整えられている。


長めの前髪は目に入らない程度。でもその表情は読み取れない。


あまり笑わない人なのかな? と思っていたが、

口元に優しげな笑みを浮かべ、

「まあね」と答えた。



聞こえてたんかい。


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