僕の幸せは、星をめぐるように。
……って。
わ、わたしは一体何をしているんだ!?
しかも、ちゃんと涙はキャッチできたけど、この後、どうしたらいいのさ!
阿部くんも突然の出来事に驚いたのか、目を大きく開けている。
えーい、ままよー!
わたしはそのままその涙をぐっと拭い取り、親指を自分の口元に移し、ぺろっとなめた。
ちょっとだけしょっぱい味がした。
「……ちょ、トシミちゃん?」
「えー、そのー」
阿部くんは少し声を慌てさせながら、わたしの名前を呼んだ。
驚きのあまり、それ以外の涙は全てひっこんでしまったらしい。
「ごめんね、何やってるんだろうわたし! 何かね、絶対にそれをどこにも落としちゃいけないと思って。
絶対にわたしが受け止めなきゃって。そう思ったら、体が勝手に……」
きっと、大きな水槽に詰め込まれた小魚のごとく、わたしの目はうようよと泳いでいるだろう。
テンパりながら、わたしはそうまくし立てたが、
最後まで言い終える前にわたしの腕はぐっと力強く彼の方向へ引かれた。
え……?
と驚く間もなく、わたしの唇は彼の薄くて温かい唇に塞がれていた。