僕の幸せは、星をめぐるように。
川に向かう坂道、芝生のまわりでは、たくさんのすすきが風に吹かれている。
太陽の光は雲で遮られているのに、無数の波を刻む川の表面と同様に、それはぴかぴかと光を発しているように見えた。
その奥の川岸では、親子連れが散歩をしていて、小さな子どもがぴょんぴょんと片足で飛び跳ねながら遊んでいる。
その様子を横目で見ながら、わたしはさっきの陸上部でのことを思い出した。
本当は、またやってみたい、という思いが勝ってきている。
だけど、わたしにはまだ勇気がない。
目の前にいる彼もまた、何かにとらわれていることははっきりと分かる。
大好きな人がそばにいるのに、なんでこんなに切ないのだろう。
「いつまで、わたしたち立ち止まってるんだろうね」
自嘲気味にわたしがそうつぶやくと、彼の視線は左側に寄せられ、
その代わり、ぎゅっと重ねられた手に力が込められた。