僕の幸せは、星をめぐるように。


川に向かう坂道、芝生のまわりでは、たくさんのすすきが風に吹かれている。

太陽の光は雲で遮られているのに、無数の波を刻む川の表面と同様に、それはぴかぴかと光を発しているように見えた。


その奥の川岸では、親子連れが散歩をしていて、小さな子どもがぴょんぴょんと片足で飛び跳ねながら遊んでいる。


その様子を横目で見ながら、わたしはさっきの陸上部でのことを思い出した。


本当は、またやってみたい、という思いが勝ってきている。


だけど、わたしにはまだ勇気がない。


目の前にいる彼もまた、何かにとらわれていることははっきりと分かる。



大好きな人がそばにいるのに、なんでこんなに切ないのだろう。



「いつまで、わたしたち立ち止まってるんだろうね」



自嘲気味にわたしがそうつぶやくと、彼の視線は左側に寄せられ、

その代わり、ぎゅっと重ねられた手に力が込められた。




< 156 / 317 >

この作品をシェア

pagetop