僕の幸せは、星をめぐるように。
「阿部くんと仲良くなってみたいかも」
とわたしはつぶやいた。
「へぇ。頑張れ。でも阿部くんって、隠れファン結構いるって噂だっけよ。年上にもモテるらしいし」
「えぇ!? 別にそーゆーんでなくて。普通に普通に、おともだちとして」
ナポリタンを一本口から出しながら、慌てるわたし。
それに対しユカチンはずるるるっ、と勢いよく麺を吸い込んだ。
「クニオ使って近づいてみたらいーんでね?」
「なるほどー。ラインでグループでも作ろっかな」
クニオとは昔からお互いの宿題を写し合ってきた仲のため、
そこに阿部くんとユカチンが入れば、手をつけないと雪だるま式に増える宿題も攻略しやすくなるかもしれない。
食事を終え立ち上がると、窓越しに、教室の中の様子が見えた。
女子たちの大小様々なグループが、机をくっつけあって昼食を取っている。
その隙間に男子グループとぼっち食の人がいる。
あ、今はいないか。
阿部くんはクニオや他の男子と一緒に別の場所でご飯を食べているようだ。