僕の幸せは、星をめぐるように。
クサマくんいい人だから、向こう戻るときに、
『色々リセットしてちゃんと高校生活楽しめよ。あと、田舎で可愛い彼女作れよ』
って言ってくれた。
おかげで、少しだけ気持ちを切り換えることができて、今の高校に入学することができた。
でも、好きな人の人生おかしくしちゃったおれなんか、
幸せになっちゃいけないんだ。
頭ではそうだと分かってるけど、この町に来て毎日楽しくて、気がついたらおれ、普通に笑ってて。
トシミちゃんも、クニオも、ユカチンも、クラスの友達も、軽音のみんなも、みんないい人で、こんなおれなんかに優しくしてくれて。
……トシミちゃん。
なんでこんなに自分のこと押さえつけてるんだろうって気になってた。
クラスでは自分の存在隠しているような感じだったけど、
おれと2人のときとか、ユカチンとかクニオと一緒にいる時は、面白くて、楽しそうなのに。
過呼吸で倒れた時は、本当にびっくりした。
おれが助けなきゃ、と思った。
それから、中学の頃の話を聞いて、ほっとけなくなった。
もちろん、先生とのことを誰かに懺悔したいわけじゃない。
トシミちゃんが幸せそうに笑う顔が見たかった。
一緒にいたいと思った。
おれもトシミちゃんといると、幸せだなあって思うようになった。
何気にね、おれもトシミちゃんに支えられていたんだよ。
でも、今でもね、時々――
時々ね、楽しいとか、幸せとか、そういう風に心から思っていいのか分からなくなる時があって、
消えたくなる」