僕の幸せは、星をめぐるように。

そっか。

確か、ユカチンは中学の頃、高校生の彼氏がいたって言ってた。

だいたいこのへんって遊びに行くとこ少ないから、カップルになったら割と早いって聞いたことある。


その時、ガラリと扉が開き、


「うぇ~い、焼きそばパン間に合った~!」

「負けた……。ま、おらぁイギリストースト獲得できたし」

「まじか! いいなぁー」


という大声とともに、クニオ他、クラスの男子軍団がやってきた。

もちろん阿部くんもその中にいる。


もう12月。


まだ本格的には積もらないが、日陰には先日降った雪が薄く残っている。


寒いので最近は教室のベランダではなく、

よく男子軍団が活用しているこの空き教室でお昼を食べることが多くなった。


「わ、ユカチンそれ美味そうー」


「いいよ、汁しかもうないけど。飲む?」


「あざーす。あー癒されるぅ」


クニオはユカチンのカップうどんの汁を飲んで、幸せそうな顔をしていた。

こう見ると、やっぱりいいカップルなんだけどね。


ちなみに阿部くんのお昼はおばあさん作らしい、おにぎりとおかずたっぷりのお弁当。

きっと家で作った野菜とか使っているんだろうな。美味しそう~。



クニオが教室後方の男子軍団の輪に戻っていった後、

「ラブラブっすね」とユカチンに言うと、

「これくらいサービスしますよ」と彼女はつぶやいた。

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