僕の幸せは、星をめぐるように。
1月/January DTソーヤング
「阿部ちゃん」
これじゃみんなと一緒だな。
「せーいちくん」
年上のお姉さんみたいだ。
「せーいち!」
何かお母さんみたい?
――あ!
「せーちゃん」
もともと落ち着いていて大人っぽい印象だったけど、
意外と可愛いところあるし、これでいいんじゃないかな?
「あははっ、いいよ。好きなように呼びなよ」
許可が出ましたー! やった。
「じゃあ、トシミちゃんは、トシちゃん?」
「うーん。それだと昔のアイドルみたいだなぁ~」
そんな呼ばれ方されたら、田○俊彦の大ファンである母にはえたたきで殴られそうだ。
「トシミ」
「な、なーに?」
不意にそう呼ばれ、わたしは反射的に阿部くんの顔を見た。
彼は少しだけ口角を上げながら、わたしを優しく見つめていた。
『トシミ!』
雪の中で、彼がそう叫んだことを思い出す。
合わせて、大好きな人からそう呼ばれると、本当にわたしたちが両思いだってことを改めて実感してしまい、
わたしはかぁーっと顔を熱くさせていた。