僕の幸せは、星をめぐるように。
3人で駅ビルのサイゼリヤというお店へ。
「紹介遅くなったけど、こいつがクサマくん。中学の時の友達」
「えええ!? 『中学の時の』って、過去にしないでよ~俺らずっと友達じゃーん。
つーことで阿部ちゃんのズッ友のクサマでーす」
「はじめまして。トシミって言います。一応、せー……阿部くんと付き合ってます」
「どーもー。阿部ちゃんのことで分からないことあったら俺に聞いてねっ。あと、タメだし敬語禁止ね!」
「あ、はい……」
クサマくんは可愛い系の顔立ちで、赤いニット帽の下はかなりの短髪っぽい。
きっと野球部ってとこかな。
どうして阿部くんのまわりって、こうノリが全く違う人が多いのだろう。謎だ。
「おかげさまで向こうで楽しくやってるよ」
「また金たまったらそっち遊びにいくし。次はわんこそばチャレンジしてぇー」
阿部くんは楽しそうにクサマくんと近況報告をしあっている。
わたしはドリアをふーふーしながら2人の会話を聞いていた。
って、この店って全国チェーンなんだ。
安くて美味しくて何ていいお店なのー! 地元にも欲しいなー。
「で、トシミちゃんは、何で阿部ちゃんに惚れたの?」
突然、クサマくんが二重の目をぱっちりと開けて、わたしにそう聞く。
わたしは驚いてドリアを吹き出しそうになってしまった。
「えーと……って、言うの恥ずかしいって!」
とわたしが視線を左右に揺らすと、
「あ、おれも気になるー」
と阿部くんは奥二重の目をキラキラさせて、わたしを見つめた。
ちょっと、何乗っかってきてるんですか!