僕の幸せは、星をめぐるように。
部活が終わり、体育館を出ると、
ゆるく枝が絡み合う木々に、薄い雪が残っていた。
「平木……」
バス停に向かう途中で、平木の後姿を見つけることができた。
「…………」
わたしの声は届いていないのだろうか。
うなじのすぐ上に、きつく一本に束ねられた髪の毛。
ダウンジャケットからパーカーのフードを出し、ジャージを雪に引きずりながら歩いている。
「平木、あの!」
「何?」
急に平木はわたしの方を振り向いた。
「えっと! ……久しぶり」
テンパって情けない声で挨拶をしたわたしに対し、
彼女は眉間にしわをよせ、面倒くさそうに「は!?」と大声を出した。
「平木、陸上続けてたんだね」
「悪い?」
「ううん」
「何か腹立つ。消えて」
口ではわたしのことを攻め立てているのに、何でこんなにつらそうな顔をしているんだろう。