僕の幸せは、星をめぐるように。
猛ダッシュで近づいてきたわたしに、クニオとユカチンは早く早く! と手招きをしている。
「トシミ!」
彼から発されたのは、停車中の新幹線の音と発車ベルの音よりも、確かな声だった。
上下左右に揺れる視界。
そこに、頬を少し赤くしながら瞳を潤ませる彼の姿が映る。
……何で、今、そんなに必死な顔でわたしを呼ぶの?
わたし、あんなひどいこと言ったのに。
確か、12月末くらいだったっけ?
雪の中、彼の胸に飛び込んだ映像が重なった。
『トシミちゃん、大好きだよ』
思い出すといつも胸がいっぱいになり、喉がつんと痛む記憶。
わたしだって君のことが大好きだ。
目尻からこぼれた一粒の涙が、わたしの走るスピードによって置いてきぼりにされる。
どうしよう、あふれ出してしまいそう。
だって、本当は、もっと一緒にいたい。
このまま彼の元へ飛び込んでしまおうか。
そんな衝動に駆られたが――
「……あっ!」
無残にも到着した瞬間、新幹線のドアは閉まった。
遅れて、ホームドアも閉じられた。