僕の幸せは、星をめぐるように。
僕のこと
★ ☆ ★
大学の正門を出ると、カップルらしき高校生の男女の姿が見えた。
キャッキャと楽しそうに騒ぎながら、自転車を漕いでいる。
僕にもあんな時代があったのだ。
ため息をつきながら、自分の家に帰ろうと、
乾いたイチョウが並ぶ歩道を進み、駅へ向かった。
東北のあの町で冬を越したことがある僕は、
関東の冬なんてチョロいものだと思っていた。
しかし、あれから3年も経つと、この寒さが当たり前になってしまい、
手も足も、心の中も凍りつくようにひりひりと痛くなる。
風がどおっと吹くとともに、黄色い扇形がひらりと空に舞い、僕はパーカーのポケットに手を入れた。
寒いな……。
コンビニで温かいお茶を買った後、自分のマンションに戻った。
文学部で割と真面目に授業に参加したり、
軽音サークルに所属したり、
バイトに行ったり、バイト仲間と遊んだり。
買い物に行ったり、ライブに行ったり。
たぶん普通の大学生活を送っている、はず。
でも、
女の子から告白されて何度か付き合ってはみたけど、
どの子も心の底から好きになれる気がしなくて、結局別れてしまった。
(一度だけ、忘れられない子がいることを打ち明けたところ、猛スピードの平手を喰らうハメに……)
――そういえば彼女は今、幸せだろうか。